ボールを受け取ったあつくは、不気味な笑を浮かべながら、ボールを投げる。それに対しチーム「魔神」は防御の一点張りだ。御鶴の「空耳を聞かせる力」であつくを困惑させ、ポリプロピレンの「薄膜を作る力」でボールの勢いを殺す。最後に段が普通にキャッチする。まさに鉄壁の守り。そして、毎度のことながら埒が明かない展開だ。
「腰、この状況どう思う。」
星太が問いかける。鉄壁の守りの上、あほのTKNのせいで向こうがリードしていてかなりまずい状況だと思う。俺は、星太に言った。
「俺はまだ魔神が動かないのが引っ掛かるんだ。」
星太が不安そうに言う。確かに魔神が動かないのは妙だ。魔神はコートの後方で何かに集中している。俺はしばらく魔神を観察することにした。
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