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2017/06/19

二級海技士(航海)を攻略せよ! ジャイロコンパス編


またせたなっ!!!


待ってない人の方が大多数だと思うけど(笑)
さてさて、今日は書くことが多いので早速行きますよ!!!
今日は「二級海技士(航海)」を攻略して行きます。
資格攻略シリーズ第二弾にして大御所にかかって行きますが、初めて海技士を受ける人でも、船のことが全くわからない人でもわかるように記述していきたい(願望)
でもって、今回は一海特の時とは違って試験内容をまとめる形で行きたいと思います。
あと、二級攻略としていますが三級についても言及するので三級を受けてみようと思っている人もぜひ参考にしてみてください。

試験形式!!


二級海技士は「航海」、「運用」、「法規」、「英語」の四科目で構成されています。
三級と比較すると英語が増えているのが大きな特徴です。
まずは航海について…
航海は航海計器、航路標識、航法などに関する問題で試験時間は3時間です。
大問は二級で5題、三級は4題です。
チャート問題と計算問題があるので、三角定規、コンパス、ディバイダー、関数電卓は必ず持参しましょう。
ちなみに天則計算表と海図、天則位置決定用図は配布されます。
次に運用ですが、船舶の構造、操船、気象海象などの問題が出ます。
運用も航海と同様の試験時間と大問数となっています。
こちらも計算問題があるので関数電卓を持参することをおすすめします。
暗算でも解けますが、楽なので(笑)
法規は海上衝突予防法や船員法など、法律が関わってくること全般が問題として出ます。
試験時間は二級、三級どちらも2時間30分で、大問もどちらも3題です。
法規は特に持ち込みはなかったというか持ち込めなかったというかそんな感じです。
英語は航海士関係の英文の翻訳です。
問題数は2題だけで、2時間です。
ぱっと見他感じ、センターの英文の方が長いし複雑だしで難しい…(。-`ω´-)
確かに専門用語が入ってくるけど、それさえ注意すればほとんど中学レベルの文法ばかりなので読めるはず!!
しかも、英和辞書(紙)の持ち込みができるので心配はないかと…
とりあえずここまで聞いて一番心配なのは試験時間だと思います。
航海と運用の問題数が増えているのに試験時間が変わってないところ…心配なんじゃないかな?
でも大丈夫!!
かなり時間が余ります。
普通に三級の問題をといても1時間程度しかかからない(法規は30分程度でいけます。)ですし、英語も全ての単語を辞書で引いたとしても1問1時間かからない程度の単語数ですよ(笑)
あと、途中退出も可能なので時間に関しての心配事はほとんどないのでは?と思います。
ちなみに試験は2日に分かれていて、前日に航海と運用、後日に法規と英語だったと思います。
最後に解答方法についてですが…
実はどの問題集にも模範解答はあるけど解答欄とかがまったくないんです。
これ…意外とどこにも記述されてないんですよね(´・∀・)
ってことで、再現してみました(≧ω≦)b
まず、上の欄ですが、ここには大問番号、科目名、受験番号、氏名を記述します。
解答欄等は特になくほぼ白紙です。
これが大問の数だけ配布されます。
確か解答欄が足りなかったら裏に書いてよかった気がします(曖昧でもうしわけない…)
解答欄は自分で作る…と言っても、ほとんど箇条書きになると思うのでフィーリングで行きましょう( ´∀`)ハハハ
あっ、科目は略称で書くので「航海」→「コ」みたいな感じで、科目の頭文字をカタカナで記述します。
そんな感じです。
まぁ、質問があれば答えられる範囲で解答するので聞いてください。

ジャイロコンパスってなんだ?


ってことで、早速本題へ…
今日は海技士の問題の一番初めの問題…
航海の航海計器類に関しての問題でほぼ毎回出題されるジャイロコンパスについてです。
ジャイロコンパスっていうのは「高速回転体の指力を利用したコンパス」です。
おそらく、6級か5級の問題に「ジャイロコンパスとは何か。説明せよ。」的な問題が出ていると思います。
そんなことはさておき、ジャイロコンパスは高速回転体にジャイロスコープというものを用いています。
ここでジャイロスコープの図があると非常に良いんだと思いますが、僕にはそんな高度な絵心がないので、画像検索してください(・∀・)
ちなみに、ジャイロスコープの各部名称の問題は3級の問題で出てきます。
てか、この後ちょくちょく各部名称を使ったりするので検索しないとしんどいかも(。-∀-)
次に、ジャイロコンパスの特徴を少し…
・偏差と自差がありません
普通のコンパス(マグネットコンパス)は偏差(緯度によって生じる誤差)と自差(コンパス自身の誤差)というものがあり真北を調べるためには誤差を修正しなければなりません。
ですが、ジャイロコンパスは磁力ではなく指力を利用しているので偏差と自差がないのです。
・指力が強い
だからなんだって話ですが(笑)
ただ、何かと振動の多い船の上ですと、指力が強いと指針がブレにくくなるのでいいよねって感じです。
・高緯度でも使える
ここは僕もよくわかってないんですが、高緯度に行くとなんだかんだで外力(多分コリオリとか磁場とかその辺だと思う…)のせいで北を指しにくいんだよね。
特にマグネットコンパスとかは高緯度に行くほど信頼性がなくなってくるけど、指力は弱くなるとはいえジャイロコンパスはそれよりかはましだよって話です。
ぶっちゃけどのくらい使えるのかはわかりません(   ´∀`)ハハハ
・マスタコンパスになる
あっ、マスタコンパスって知ってますか?
船にあるコンパスってブリッジにあるジャイロコンパスとフライングブリッジにあるマグネットコンパス以外、おそらく全てがレピュータコンパスってやつなんです。
レピュータコンパスってのはマスタコンパスの指針をそのまんまさすみたいな感じで…
要するに、マスタコンパスの分身的存在とでも思ってください。
で、そのマスタコンパスにジャイロコンパスがなっているという話です。
ちなみにマスタコンパスはレーダーとかAISとかにも指示を出しています。

ジャイロコンパスの原理!


ジャイロコンパスは大きくわけて3つの力を持っています!!
回転惰性」、「プレセッション」、「指北作用」です。
とりあえず回転惰性から…
回転惰性とはジャイロスコープのジャイロ軸を中心にジャイロが高速回転しているとき、ジャイロ軸に新たなトルクを加えない限り、ジャイロ軸は地球の自転の影響を受けず、空間に対して一定の方向を指し続ける…というものです。
方向保持性ともいいます。
この特性を生かして、北を指し続けていますd(^-')
続いてプレセッションです!
プレセッションは高速回転しているジャイロ軸にトルクを加えるとどうなるのかっていうお話です。
ジャイロが高速回転しているときにジャイロ軸にトルクを加えると、与えられたトルクによって生じる回転ベクトルとジャイロ軸の回転ベクトルの合成ベクトルの方向へジャイロ軸は最短距離をとって回転します。
プレセッションに関する問題は3級に出ますが、回転方向に関する問題は2種類しかなさそうなのでそれを覚えた方が早いと思います(笑)
興味がある人は下の図を参考にしてください。
まぁ、物理を勉強しましょう。
最後に指北作用についてですが…
これはそんなに気にすることないです。
3級にも2級にも指北作用を説明させる問題がほとんどでてないので説明は省きます。
恐らく1級の問題には出てるのではないでしょうか?
とりあえず、地球の自転を利用して北を向いているとでも思っておいてください(笑)

何だかんだで、誤差ってでてくるんだよね(ノ∀`笑)


ジャイロコンパスには偏差と自差はありませんが、それ以外の誤差が5つあります。

速度誤差

先程も記述した通り、ジャイロコンパスは自転を利用して指北しています。
なので、地球の自転方向(東航、西航)以外に向けて航行すると誤差が出ます。
これを速度誤差といいます。
まぁ、殆どに修正機がついてるし、誤差を求める公式は2級では必要なさそうなので省きます(笑)
もう少し専門的にいうと…
船の運動による南北方向成分の速度が地球の自転に伴う東西方向成分と合成されることで、地球の自転軸の傾斜に相当するように生じる誤差。
船の針路、速度によって変化し、緯度によって異なる。
って感じです。
公式は書きませんが、自船の進路と速力、緯度の情報が必要なことは分かりますよね(´・∀・)?
ちなみに3級には公式を書かせる問題はあります(ノ∀`笑)

変速度誤差

これは名前の通り、速度を変えたときに生じる誤差です。
速度を変えると、すぐに速度誤差が現れるのではなく、じわじわ来るっぽいのです。
そういう系の誤差です。
あと、進路を変えた時にも生じます。
変速や急激な変針にともなって南北方向の成分の加速度が発生した場合、その加速度が水平軸まわりのトルクとなって作用することにより生じる不定誤差。
とでも、覚えましょう(笑)

動揺誤差

船って揺れるので、それに伴ってジャイロに加速度とか遠心力とかのトルクが加わります。
そういう系の誤差を合わせて動揺誤差って称します。
簡単に言うと…
船の動揺によって、東、西、南および北以外の針路において発生する方位誤差。
って感じです。

・旋回誤差

船が旋回するとジャイロスコープの垂直軸まわりに摩擦とかのトルクが発生するかもしれない…
これでプレセッションが起きちゃった時の誤差を旋回誤差とか摩擦誤差っていいます。

・緯度誤差

この誤差は大体のジャイロコンパスで生まれないので別にいいかなって思ったけど、一応ね(´・∀・)
一言で言うと、ジャイロコンパスの制御装置が緯度によって仰角と偏角を持ってしまうために生じる誤差。
とでも言っておきましょう((・・*)
3級には誤差の名称を答えさせる問題とかがありますが、2級にはなさそうなので、ぶっちゃけ速度誤差、変速度誤差、動揺誤差だけ覚えておけば特に問題ないかな〜って思います。

ジャイロコンパスの種類について!


ジャイロコンパスには割と沢山種類があります。
でも、たぶんその中の3種を知っていれば大丈夫です。
・スペリー系ジャイロコンパス
・TG5000型ジャイロコンパス
・アンシューツ系ジャイロコンパス
前者二つはスペリー社のジャイロコンパスでアンシューツ系はアンシューツ社のジャイロコンパスです。
ここからは、この3種が指北するためのプレセッションを起こすための設備やそれによって生じる振揺を減衰させるための措置などを紹介していきます。

スペリー系ジャイロコンパス

スペリー系ジャイロコンパスは液体安定器というものを用いてジャイロ軸をプレセッションさせています。
これは、ジャイロ軸の両端に取り付けられているんだけど…
お手軽に説明するとしたら、容器が傾いて中の液体が流れるのを利用してトルクを発生させているって感じです!
わかりにくいと思うので絵を描いてみたぞ☆
頑張って理解してくれd(^-')
まぁ、先ほども記述した通りこの作用でプレセッションが起きると振揺がおきます。
で、もちろんそれを減衰させる便利な装置があります!
スペリー系ジャイロコンパスの場合、それは「ダンピングウエイト」という重りです。
これがジャイロ軸から少し離れたところ(若干上方)にあるため、仰角が生まれた時に重りによって生じるトルクで降下させてくれます。
そんなやつです(笑)

TG5000型ジャイロコンパス

TG5000型はジャイロが制振液(シリコンオイル)というものに浸かっているという特徴があります。
浸っていると言っても懸吊線というやつで吊るされているんですが…
で、もしジャイロ軸が傾斜したら懸吊線に引っ張られることで生じるトルクによって指北作用を起こしています。
そんでもってTG5000型がどうやって振揺を減衰させているのかっていうと、懸吊線をねじることによってダンピングさせています。
まぁもう少し詳しくいうと、ジャイロの南北方向にピックアップセンサってやつがあって、そいつがジャイロの重心移動を検出して懸吊線を捻ってるってわけです。

アンシューツ系ジャイロコンパス

アンシューツ系は僕の中で加重包装系ジャイロコンパスと呼ばれています。
というのも、アンシューツ系のジャイロが球に包まれ、さらに支持液、外球という順番でつつまれているからです。
まさに、包んで、包んで、包み込む。
加重包装の極みなのです!!
で、どうやって指北しているのかというと、浮心と重心の差を利用しています。
ジャイロ球の重心が浮心より下方にあることにより、傾いた時に戻ろうとするトルクを浸かっているというわけです。
船の復元力と似てますね(笑)
振揺はダンピングオイルというものを使って減衰させています。
内部を8つに仕切られたドーナツ状の器にダンピングオイルを入れ、ジャイロ球の上部に取り付けます!
すると、ジャイロ球が傾いた時にダンピングオイルの流動と傾きが90度の位相差を生じ、振揺が治るというわけです!!

終わり!!


ここまで説明してあれだけど…
実物を見ないとやっぱりわからないと思うんだ。
百聞は一見に如かずとかいうじゃん?
だから、船に乗る機会がある人はジャイロコンパスに注目して見て欲しい。
内部までは見れないと思うけど理解は深まるんじゃないかな?
ってことで今回は終わりです!
次回はレーダーとオートパイロットについてまとめます(。・ω´・。)
ってことでおやすみ( ・∀・)ノシ

参考文献
ジャイロコンパスとオートパイロット 前畑幸弥 著(成山堂書店)
海技士2N徹底攻略問題集(海文堂)

10 件のコメント:

  1. 動揺誤差の発生防止について簡単に教えてください

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    1. コメントありがとうございます。
      動揺誤差の発生防止ですが、船の上ではどうしても動揺してしまうので、発生の防止は出来ないですね。
      その代わりに、プリセッションを利用して動揺誤差の修正を行っています。

      (間違ってたらごめんなさい)

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  2. 速度誤差の修正方法について教えて頂けると有り難いです。

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    1. コメントありがとうございます。
      ジャイロコンパスの速度誤差δは以下の式で表せます。
      δ=v cosθ/(RΩcosφ)
      (v:船速、θ:針路、R:地球半径、Ω:地球の自転角速度、φ:緯度)
      この式で求まったδを加減することで速度誤差を修正できます。

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    2. ありがとうございました!助かりました。
      ジャイロコンパス等について良い参考書等あれば教えて欲しいです。

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    3. この記事の参考文献でもあるのですが、前畑幸弥著のジャイロコンパスとオートパイロットがおすすめです。
      その他ですと、高校生向けの航海計器の教科書やジャイロコンパスのカタログや取扱説明書なんかもいいと思います。

      削除
  3. ブログ、大変わかりやすく、助かります。
    私は今度2級航海の口述試験を受ける予定です。
    変速度誤差と速度誤差の違いがイマイチわかりません。
    あと、速度誤差があるかぎり、変速度誤差があるため、ジャイロコンパスの型に関わらず発生しますよね?
    もしお分かりになりましたら教えていただきたいです。何卒宜しくお願いします。

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    1. コメントありがとうございます。
      変速度誤差とは針路や速力を変更した際、新しい速度誤差になるまでに生じる不定誤差と言えます。
      例えば進路は一定で速力12ノットの時の速度誤差をα、13ノット時の速度誤差をβとしましょう。
      12ノットから13ノットに増速した際、速度誤差はαからβに即座に切り替わる訳ではなく、徐々にβに近づいてβになります。
      この過程の速度誤差が「変速度誤差」です。
      そういう訳なので、仰る通り速度誤差がある限り変速度誤差も生じますし、速度誤差の理論上どのジャイロコンパスでも発生します。(なお、最近のジャイロコンパスはGPS等からデータを受け取って自動で修正してるようです。)
      口述試験頑張ってください!

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    2. 余りにお粗末な説明にびっくり。ジャイロの特性は2つのみ方向維持とプレセッション、マスターコンパスは(TG5000
      )操舵コンパス内、スタンダードコンパスはコンパスデッキ

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    3. コメントありがとうございます。
      お粗末な説明ですが、この程度の理解で海技試験を突破できるというのも一つの事実なんですよね!笑
      ジャイロの特性としては、仰る通りその2つが挙げられますが、ジャイロコンパスの特性としてはジャイロの特性を利用して北をさし続ける、いわゆる「指北作用(原理)」というものがあるんですよね~。
      コンパスの場所については、ジャイロコンパスは操舵スタンドと一体型になっているものが主流ですのでブリッジ内という解釈で問題ないかと。マグネットコンパスがあるデッキの名称は船によって異なりますので、一概に〇〇デッキというのはよくなかったですね~。

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