二限を受け終え、俺は生協の食堂へ向かった。そこには既に俺の友達が待っていた。カレーを食べているのがあくつ。その横で日替わり定食を食べているのが小松菜だ。俺は彼らの向かい側の席に座り、愛するママが作ったお弁当を取り出そうとした。だが、たしかに入れたはずのお弁当が無いのだ。俺は半狂乱状態になりながら鞄をひっくり返した。
当然見つかるはずもなく、俺はべそをかきながら財布を取り出す。財布の中には42円。俺の頬を涙がなぞるのを感じた。
「腰助、昼飯は?」
唐突に小松菜が話しかけてきた。俺は泣きながら、弁当とお金が無いことを伝えた。
「俺の異能で何とかしてやるよ。」
小松菜はニヤニヤしながら言う。ありがてぇ…。そう思い、初めて小松菜に感謝の念を抱いた。
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