丸顔で目の細い男は、なお俺とTKNをにらみ続ける。こいつのパンチパーマはまさか、トーチ野郎か。某日本丸乗船中に話を聞いたことがある。深夜ワッチの気象観測中に船橋内にトーチを向け、オフィサーに怒られた奴だ。とんだクレイジー野郎だな。俺はクレイジー野郎と関わりたくないため、聞こえなかったことにした。そして再び、TKNに向けて罵詈雑言を浴びせはじめた。
「おい、なに無視してんだよ。」
トーチ野郎は道端の不良のごとく絡んでくる。こいつは空気を読まないのか。俺のトーチ野郎に対する嫌悪感は少し増した。もちろん俺はガン無視でTKNに突っかかる。
「さっきの間はなんだよ。目が合ったよな。おい、無視すんな。」
無視だ。こいつとは絡んではいけない。コルセットも俺に危険信号を送っている。
「お前らがその気なら俺にも考えがあるぞ。俺の異能の恐ろしさを見せてやる。」
俺は腰に悪寒を感じた。
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