その日、107名の実習生は奴隷となった。俺もその中の1人である。東京の某埠頭に係留されている船に足を踏み入れる。奴隷船と名高い日本丸のギャングウェイは少しばかり音を立てたものの、安定していた。ギャングウェイを登りきった先に待ち構えていたのは停泊当直中の士官だ。俺は彼に指示されるままに船に入っていった。
俺の部屋は12号室だった。8人部屋に押し詰められたように配置されたボンクにはまだ誰もおらず、1番快適そうなボンクを陣取った。これから1ヶ月、この狭いボンクで過ごすことになると考えるとそれだけで腰が痛くなった。
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