腰が痛い。就寝前はこの一言に限る。俺は、腰に負担の少ない低反発マットレスに横になり、目を閉じる。そして確信した。日本丸マジックは実在する。完全に隔離された空間。洗濯だって自分でしなければならない。いつも誰かといたはずなのに、なんとなく感じていた寂しさ。一体これはなんだったのか。日本丸マジックは乗船中に起きるものではないのだ。下船後に起こるのだ。いつも愛されていたことを、家族を愛していたことを、家に帰ってきて初めて思い出す。これが俺の叩き出した答えだ。
わざわざ乗船に出会いを求めるなんて間違っていたのだ。愛は初めからここにあった。最後に俺は呟いた。ママ、大好きだよ。
Fin.
※ この物語は実際の団体・人物とは2割程度しか関係ありません。
明日からは新小説「斉藤さんは腰が痛い」をお送りします。(しません)。
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