みなさんこんばんは!
今回も淡々粛々と二級海技士(航海)を攻略していきます。
思ったより手こずってますが、個人的に8月までにまとめきって10月の試験に向けてガチ勉したいので応援してください。
ってことで今日は「レーダー」と「オートパイロット」の二段構成なので、ちょっと図示多めでお送りしたいと思いますd(^-')
RADARとは??
Radio Detecting and Rangingの略称で、コウモリに例えるとわかりやすいと思います。
レーダーが電波を飛ばして(コウモリは超音波を飛ばしますが)、何か(以下物標)に反射して帰ってきた電波を受信することにより、その方位や距離を知ることができます。
そんでもってですね、だいたい船のレーダーって「パルスレーダー」っていうものが使われています。
このレーダーはPPI表示と言って円形のディスプレイが用いられています。
画面が正距方位図法みたいな感じになっているあれです。
簡易的ですがレーダー画面を描いてみました!!
かなり簡易的に描いています。
ってことで軽く説明しときます。
まずEBLから…
EBLを使うとつまみをくるくる回すだけで方位がわかるツワモノです(笑)
続いてVRMですが、これは船からの距離がわかるものです。
こちらはくるくる回すと同心円状に広がります。
この2つを使うとハンドコンパスを使わなくてもクロスベアリング等の船位決定ができます。
あとはノースマークですね。
ノースマークは北の方角を示します。
ここで感のいい人は「じゃあ、船首線の先の000ってなんだよっ!」って思ったのではないでしょうか?
これはレーダーの表示方法によるものです。
表示方法には「ノースアップ」と「ヘットアップ」と「コースアップ」の3種類があります。
ちなみに、この図はヘットアップとなっていて、船首方向を基準に定められています。
ノースアップは船の角度がどうであれ北が上になっています。
コースアップも同様に進路が上になっているって感じです。
まぁ、使い方をもっと知りたい人はARPAレーダー講習会にでも参加しましょう(´・∀・)
レーダーの原理
先ほども書きましたが、レーダーは電波を飛ばして物標の方位や位置を探知しています。
ってことで、そこんところをもうちょい詳しく解説します!!
まず、電波には色々な種類のものがあると把握しておいてもらいたい!
例えば、長波とか短波とか…
そんな中でレーダーは「超短波」を使っています。
なんで超短波かっていうと5個ほど理由があります。
・直進性が良い
・指向性が鋭く、利得の大きなアンテナが得られる
・空中雑音が少ない
・パルス幅を小さくすることが容易
・小物標探知が容易
まぁ、簡単に言えば早くて強い的な感じですね( ´∀`)ハハハ
で、海技士の問題では波長を求める問題も出てきます。
高校物理を習っていた人にとってはお茶の子さいさいかもですが、一応公式を…
λ=(1/f)×c
ちなみにcは電波の速度ですが、超短波は光速なので3×10^8m/sです。
そんな超短波さんですが、これをアンテナで送受信してます。
あっ、言い忘れてたけどレーダーのアンテナは全方位探知できるタイプじゃなくてくるくる回るタイプのアンテナです。
それでですね、たとえアンテナがちゃんと作用していても条件が揃わないと物標を探知できないんですよ…
感度を上げた時に近くの反射体から実映像と一緒にノイズが見えるとか周波数同調がちゃんと取れてるとか色々あるんですが、簡単なやつを4つだけ解説しときます。
・物標からの反射が、雑音より強いこと。
雑音って言ってもわからないと思いますが、とりあえず2つだけ紹介しときます。
「海面反射による雑音」と「雨や雪などによる雑音」です。
この二つに関しては後々出てくるのでその時に!
まぁ常識的に考えればわかるんですが、その雑音より反射が弱ければPPIには映らないってだけのお話です(笑)
・物標からの反射が、最小受信感度よりも強いこと。
これもおんなじですね。
弱すぎてもPPIには映らないってだけのお話です。
・物標が使用レンジ内にあること。
まずわかって欲しいのが、電子レンジとは別の物だってことです。
このレンジはレーダーにとっての縮尺みたいな物です。
なんで、縮尺外の物標は映りませんよっていうお話です。
・物標が最小探知距離と最大探知距離の間に存在すること。
これについては切り込んでいきますよ(。-∀-)
最大・最小探知距離の決定
とりあえず画像をみてください!
これもまた簡単にまとめてありますが、大まかにわかってください。
まずは最小探知距離から!
最小探知距離とは、どれだけ近くの物標まで映像として識別できるかを示す最小の距離のことです。
最小探知距離より内側は死角と言います。
知っていても特に得はないです(笑)
それで、なんで最小探知距離が生じるのかというと、物標が近すぎると送信したパルス波のすぐ後に反射波が続いてしまって、PPIの中心部と重なって何が何だか識別できなくなるためです。
ちなみにパルス幅を小さくしたり、アンテナを低くして垂直ビーム幅を広くしたりすると最小探知距離が小さくなります。
この場合、最小探知距離=アンテナまでの高さ/tan(θ/2)[m]で表されます。
話がちょっと変わりますが、海技士の問題では最小探知距離の決定事項を答えさせる問題があります。
これの答えが問題集には「パルス幅」と「ビームの俯角」となっています。
多分アンテナの高さが入ると思うんですが…
ってことで、続きまして最大探知距離です!!
名前の通り、探知できる最大限度の距離のことです。
超高性能ならば上の図のように地理的光達距離(2.083×(√H+√h)海里)になるのだろうが、現実はそんなに甘くない。
ちなみに最大探知距離は4√(Pt•G^2•λ^2•σ)/((4π)^3•Smin)[m]です。
Pt:送信電力(W)、G:アンテナの利得、σ:物標の有効面積(㎡)、Smin:最小受信電力(W)、4√:4乗根
この式はレーダー方程式と言って開口面アンテナver.もあるのですが、問題には出てこないので深追いはやめておきましょう(笑)
海技士の問題には最大探知距離に影響を及ばす事項をあげる問題が出てますが、式を見ればだいたいわかると思うので頑張ってください。
ただ、外的影響として雨雪などの電波妨害があることをお忘れなく(b・ω・)b
あと、大気の温度の逆転層があったり、温度低下率が異常な特に「サブリフラクション」や「スーパーリフラクション」と言った異常伝ぱが起こります。
どっちも最大探知距離に関わっています。
まずサブリフラクションは探知距離が短くなります。
というのも、大気の温度低下率が通常よりも急激な時、電波が通常よりも上方向に屈折してしまうため、レーダーの水平線が短くなるためです。
逆にスーパーリフラクションは探知距離が長くなります。
今度は、温度低下率が通常よりも少なかったり逆転層があったりして、電波が下方へいくことにより遠方に達するためです。
こんにちは!誤差です!!
やあみんな!
僕は方位誤差(´・д・)」
今日は僕が生まれた生い立ちを説明しようと思うんだ☆
僕の親はジャイロコンパスっていうんだ!
前回の記事にあったようにジャイロコンパスはマスタコンパスとなって航海計器に方位を教えてくれるんだ。
でも、ジャイロコンパスに誤差があったのを覚えているかい?
その誤差がそのままレピュータコンパスに送られるから、僕が生まれるのさ!!
えっ?ジャイロの誤差をなくせば僕は消えるかって?
理論的にはあってるよ!
でも、親はジャイロコンパスだけじゃないんだ。
そう…君ら人間だよ(/ー▽︎ー)/フフフ、、、
君たちがPPI上の映像を明瞭化できなかったり、レンジの設定を大きくしすぎても生まれるんだ!
だから、僕が生まれるか生まれないかは君たちの技量にかかっているんだ!!
頑張れよ(笑)
映像障害の話をしよう!
真面目にやってきてた中で、唐突にふざけるのも楽しいよね(笑)
ってことで、続きまして帰ってきた雑音のお話です。
先ほども述べたように海面反射とか雨雪による雑音があります。
微分の名前的な問題で、雨雪による雑音から!
雨や雪が降っている中でレーダーを使用すると、PPI上に白くボワって感じで映像が映ります。
そうなってしまうとどうしても本当に見つけたいもの(船とか)が見えなくなってしまうので、消すことができます。
それが「FTC」という機能です。
ちなみにFast Time Constantの略です。
この機能が何をするのかというと、信号強度の変化率が大きいものを強調すると言ったものです。
というのも、雨や雪と言ったものは変化率が小さいのです。
そういうことなんで、変化率の大きい動いている物がレーダー画面上で見えるって感じです。
FTCで消せるのは雨や雪だけではありません。
雲や霧で生じる雑音も消せます。
霧(Fog)も消せるのでFTCって感じで僕は覚えています(笑)
続いて海面反射です。
まず、海面反射が何かっていうと、船の近くの波などの海面からの反射のことです。
もちろん、波がレーダーで検知されてもなんの得もありません。
で、海面反射ですが近くで強く、遠くで弱いという特徴があります。
もちろん、海面反射も消すことができます。
今度は「STC」です!
ちなみにSecond Time Constantではありません。
Sensitivity Time Controlです。
これは近距離の感度を抑制し、遠くなるにつれて感度を回復させていくと言ったものです。
もちろんこれを強くしすぎると近くの船なども消えるので調整には注意が必要です。
映像障害は雑音だけじゃありません。
「干渉」というものがあります。
画像があると一発でわかるんだけど、干渉の図って描くのすごくめんどいし上手く描けないからgoogleかなんかで画像を検索してみてくれ!
まぁ、僕がみた感じいいのはなかったけど(笑)
でも、下記のサイトがいい感じに説明してたよ!
https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2005/00136/contents/0047.htm
分解能って知ってるかい?
レーダーには2つの分解能があります。
まず分解能が何かっていうと、近接している2つの物標を2つとして認識できるかどうか的な能力です。
まず一つ目は距離分解能、二つ目は方位分解能です。
この二つに共通していることは、スコープ上の輝点の大きさや使用しているレンジ、ブラウン管の最小スポット直径が関係しているってこと。
簡単にいうと、画質が良いほど見分けがつくって感じのお話すです。
それでは距離分解能から!
これは同一方位にある2つの物標を2つの物標としてレーダー画面上に表示する能力です。
言葉のまんまなんで俯角は突っ込みませんが、水平ビーム幅がこの能力に関係しています。
方位分解能も似たような感じで、同一距離にある2つの物標を2つの物標としてレーダー画面上に表示する能力のことを言います。
これはパルス幅が関係していると思っといてください。
僕はここまできてかなり疲弊してきたので詳しい説明は専門書で調べよう!
最後は偽像のお話だよ!
偽像と言えば、中学理科で出てきた虚像とかとセットで覚えている人も多いのではないのでしょうか?
まぁ、その偽像とは全く関係ないのですが(笑)
レーダーでの偽像は、反射物がないのにも関わらずにレーダー画面に表示された像をさします。
そんな偽像先輩ですが、4種類ほどあります。
では片っ端から…
・サイドローブによる偽像
とりあえずサイドローブについて簡単に説明しておきます。
かなり前半で話したんですが、電波には超短波が用いられていて、その特性の一つに「鋭い指向性がある」的なことがあったと思います。
指向性があると一方行にしか飛ばない感じしかしませんが、現実は結構あちこちに飛んじゃってます(笑)
図にしてみるとこんな感じです。
主に飛ばしてる電波がメインローブで、その横からちょろっと出てるのがサイドローブです。
もちろんサイドローブも電波なのでレーダーが感知しちゃいます。
でも、サイドローブはメインローブの1/100いか程度の力しか持っていないので、反射物が近距離にならないと出てきません。
この偽像の特徴としては真像とはぼ直角方向かつ同距離に現れ、信号強度が比較的弱く円周方向に広がった映像であることです。
図にするとこうなります。
・多重反射による偽像
これは名前的にすごくわかりやすいので個人的な好感度は高い偽像です。
もちろん名前の通りめっちゃ反射することによってできてしまう偽像です。
特徴としては真像の方向に等間隔(真像と同間隔)に現れます。
・鏡現象による偽像
これはぶっちゃけ図を見た方が早いよっ!!
川とかでよく見られるんじゃないかな?
僕は見たことないけど(笑)
・2次反射による偽像
これはほぼ自滅だよね(´・∀・)
やっと後半戦です
後半はオートパイロットについてお話しします。
オートパイロットというのは、言ってしまえば自動操縦ってやつです。
ただ、出港から入港まで全部操縦してくれる優れものではありません。
指定した進路を効率よくまっすぐに操舵するハイテクマシンです(笑)
なので、出入港時、変針時、航路などでは人間が操舵しなければなりません。
そんな感じで使用上のルールが色々とあるのですが、それはまた法規の時にまとめるので今回はオートパイロットの舵の調整についてまとめときます。
調整なのですが、舵角調整、当て舵調整、天候調整についてです。
舵角調整(Rudder adjustment)
わからない人はいないと思いますが、舵角というのは舵の角度のことです。
舵角調整はオートパイロットの機能的には一番スタンダードなものです。
何をしているかというと…
外力(風や波)によって進路がずれた→舵角調整量を考える→舵を切る
これの繰り返しです。
式はN=δ/θで表されます。
N:舵角調整量、δ:舵角、θ:偏角
式を見ればわかると思いますが、偏角1°に対して舵を何度とるか決定している係数です。
船や積荷によってNを変えるので、とても効率的な操舵ができます。
当て舵調整(Rate adjustment)
こちらも一応説明しておきますが当て舵とは、波に流されることを念頭に置いてあらかじめ舵を切っておくことにより予定の進路どうりに進めるようにすることです。
こいつは船首の振れの角速度に対して取られるので、δ=ーR dθ/dtで表されます。
δ:当て舵による舵角、R:当て舵調整、θ:船首偏角
Rは角速度(1°/sec)に対する舵角です。
これを使って、船首の振れ角を抑制します。
天候調整(Weather adjustment)
これは荒天時に使用される調整です。
荒天時は波の影響で大きく船首が振れます。
ですが、波なので、割と元の船首方向に自然と戻ります。
なので、いちいち舵角を調整しているとラダーへの負担が半端ないしかわいそうなので、ある一定角以上船首が振れない限り舵角調整を行いません的な調整となっています。
仕組みは簡単で二重ゲインを用いています。
図にするとこんな感じです(笑)
低ゲイン時では舵角調整は弱めに、高ゲイン時はバッチリ舵角調整をすると言った仕組みです。
便利ですね
ちなみに縦軸が舵角、横軸が進路偏差です。
お疲れ様でした!!
ということで今回はおしまいです。
ここまで約6000字程度…
高校の課題論文並みに長い文章となってしまいました(笑)
ちなみに次回は「電磁ログ」と「航路標識」についてまとめます。
今度はもうちょい短くするように心がけます!
ってことで、おやすみなさい( ・∀・)ノシ
参考文献
移動体通信工学(文部科学省)
ジャイロコンパスとオートパイロット(前畑幸弥)
海技士2N徹底攻略問題集(海文堂)