読んで字のごとく「霊の通り道」のことだ。
そんなもの会うわけがない。
理系大学生が何を言ってる。
と、思う方もいるだろう。
まぁ、とりあえずそんなことは気にしなくていい。
今日は、僕が実際に体験した心霊現象を紹介しようと思う。
正直言って、特段怖くもない話なのだが、何となく思い出してしまったので書いていこうと思う。
さて、なぜ僕が霊道の話をしたかというと、実は過去に霊道に住んでいたことがあるからだ。
霊道に住んでいたとはいっても、四六時中心霊現象に遭うわけではなく、忘れたころにそういった現象が起きるのだ。
例えば、洗い終わった食器が突然崩れ落ちたり、深夜誰もいないはずのリビングからおもちゃの音(ボタンを押さなけらばならない音)が聞こえたりとといったものだ。
個人的に怖かったのは、某番組の心霊特集を家族で見ているときに唐突に10秒くらいのノイズが入ったことだろうか。
ぶっちゃけ、霊道という確信はないが、霊道の近くであることに間違いはなかったと思う。
そんな家に住んでいたときに、僕は2回はっきりとした心霊現象に遭遇した。
もちろん家族には話した(と思う)が、どちらも信じてもらえなかったという苦い思い出がある。
舞
一つ目の話は、僕がまだ小学校に入学する前の話だ。
僕が幼き頃は、家族で川の字になって寝ていた。
寝るときは暗闇にならないように豆電球が常時ついており、真夜中に起きてしまってもある程度の視界はあった。
ある日の幼き僕は、真夜中に尿意で目覚めた。
いつもなら、天井と電球が見えるのだが、その日は違った。
電球の回りにたくさんの人がいたのだ。
その人たちは男女総勢8~10名程度で、全員華やかな着物を着ていた。
驚いた幼き僕は尿意そっちのけで、その光景に見入ってしまった。
よく見ると、その人たちは浮き且つ踊りながら電球の周りを回っていた。
当時の僕は恐怖や疑問を一切持たず、ただ、楽しそうだな、きれいだなと思いながらその光景を見ていた。
隣で寝ている親を起こそうかと思ったが、なぜか彼らの邪魔してはならないと感じ、親を起こすことはなかった。
10分ほどたったころだろうか、幼き僕は再び尿意に襲われた。
僕はこの場を離れたくないという気持ちと尿意を天秤にかけ、結局トイレへ行くことにした。
こっそりと布団から抜け出し、ふすまを開け、部屋の外から中を確認した。
そこには当たり前のように電球の周りで踊っている人がいて、早く戻ってこようとトイレに向かった。
トイレから戻ると、そこにはいつも通りの天井があり、先ほどまでいたたくさんの人が忽然と消えていたのだ。
僕はトイレに行ったことを割りと後悔しながら、再び眠りについたのだった。
という、なんの落ちもない話だ。
あまりにも印象的な出来事でありいまだに覚えているのだが、彼らが幽霊だと気付くのはそれから数年後のことだったりした。
思い返してみると、浮いてる時点で幽霊だと気付くべきだったが、僕が幼かったことと、恐怖というよりも美しい光景を見ての感動の方が大きかったためか、その発想に至らなかったのかもしれない。
僕の記憶が正しければ(幽霊相手に正しいも糞もないが)、幽霊どもは平安時代の格好をしていたと思う。
まだ成仏してないのかよ、と突っ込みたくもなるが真相は謎である。
しかしまぁ、自分たちの頭上でくるくると踊っているとか異様だよなぁ…。
ローアングルで舞踊を見るなんて経験はそうそうできないので、もう一度体験してみたいような気がする。
山の石
これは小学3、4年生の頃の話。
その日は、家族旅行でどこかの山に行って帰ってきた日だった。
僕は山で白い珍しい感じの石を拾って、家に持って帰ってきたのだった。
夕飯を食べ終え、母にいい感じの石を自慢した。
すると母はこんな感じのことを言った。
「山の石には魂が宿ってるから、持って帰ってくるのは良くない。」
僕はそんな話あるわけないと鼻で笑った。
しかしその数分後、家族でテレビを見ていると突然乾かしてあった食器が崩れたのだ。
この家ではよくあることだと分かってはいたものの、少し怖くなった僕は早めに寝ることにした。
当時、二段ベットの下段で寝ていたのだが、ベットの脇には小窓があった。
僕は小窓のカーテンを閉めようと、カーテンに手を伸ばした。
その時、ふと窓の外を見ると、そこには得体のしれない人のようなものがいた。
人型のシルエット(胸部から上)、頭には黒いフードを深々と被り、真っ白な口元が見えたのだ。
僕は一瞬でカーテンを閉め、家族がいるリビングにダッシュした。
ことの顛末を家族に話したが、まるで信じてもらえなかった。
こんな怖い目に遭ったのは全部山の石のせいだと思い、僕はすぐさま石を家の外に投げ捨てた。
もちろん、外にはあいつがいるかもしれないから片手だけ出して捨てた。
石を捨てて冷静になった僕は、やはり見間違いだったのかもしれないと思い返し、もう一度小窓の外を見てみることにした。
きっと、窓の外の木の陰でそう見えただけだ。
そう考え、恐る恐るカーテンの外を覗いた。
そこにはいつもの木々がみえ、あいつの影は全くなかった。
僕は胸をなでおろし、いったい何を人影と見間違えたのか、小窓の外の景色を見た。
しかし、おかしなことにどの角度から見ても人影には見えないのだ。
ましてや、黒いフードと見間違えるほど、陰になっているところなどなかった。
いったいあれは、なんだったのだろうか。
あれ以来、僕はいまだに夜のカーテンを開けるのが怖い。
どうだっただろうか。
個人的には、締めの部分を怖い話的な感じでまとめられたので満足している。
ちなみに、僕が住んでいたのはマンションの3階であり、小窓の外には人が通れるような足場もない。
見間違いでなければ、確実に幽霊だと思う。
当時の僕は白い口元が頭蓋骨に見えたのか、死神だと思っていたが、さすがにこの場で死神と言い切ってしまうのは小恥ずかしかったので、ただの幽霊ということにした。
正直、山の石と心霊現象の関係は分からないが、偶然に偶然が重なってめちゃくちゃ怖かった。
しかしまぁ、霊を見た場所を再確認とかホラー映画だったら死亡フラグだよなぁ…。
錯乱のせいで意外と平気だと思ってしまうのかもしれない。
さて、ここまでお付き合いいただいたが、そろそろ幕引きといたしましょう。
皆さんくれぐれも、カーテンを閉め忘れないように。
それでは皆さん良い夜を。
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